画像で学ぶ敷地調査のポイント(作成中)

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適切な敷地調査は、住宅基礎の設計施工の肝心要です。住宅を支える敷地の支持性能は、周辺との高低差や既存構造物・工作物や水路等との関係によっても影響を受けるので、敷地調査の結果に基づいて適切な地盤調査の方法(調査手法、調査位置、調査深度、調査数量など)を決めることが重要です。
ここでは、敷地調査のポイントを静止画や動画により紹介しております。個々の敷地調査の実務において、どのような調査を実施するかは、調査する方の経験・実績に委ねられている部分が多いと思いますが、当該地域・地盤での一般的な調査方法を理解しておくことも重要です。敷地調査結果の評価に関しては、@地盤調査をせずとも通常の基礎形式(布基礎やべた基礎)が採用できる、A通常の地盤調査で十分。B敷地の実況を考慮した特別の地盤調査が必要、C地盤改良が必要、D専門家の判断が必要、E建設不適、などが考えられます。

     

敷地調査のポイントは、1)周辺道路や橋など2)周辺水路など3)周辺擁壁やブロック塀など4)周辺建物など5)造成情報6)敷地の実況 に大別して示しています。

調査項目 調査内容及び留意事項
1)周辺道路や橋など

当該宅地周辺の地盤概要を知る方法として、道路、電信柱、橋などの外観調査も重要です。

・道路のゆがみ、陥没
・電信柱の傾斜
・極脚周辺の段差
に注意することが必要でしょう。

電信柱の傾斜(傾斜の支え?)


道路面のゆがみ、凹凸、電信柱の傾斜


路床以深の地盤沈下に起因する道路面の陥没


地盤沈下地帯における杭支持埋設物の浮き上がり


地盤沈下地帯における道路面のゆがみや凹凸


杭で支持された橋と周囲との段差


極脚付近の障害

橋台付近の不同沈下による段差



橋脚付近の沈下障害
2)周辺水路など

水路や旧河道等など水に係わる地形情報は、住宅の沈下障害に密接に係わっています。水路は元来直線ではなく曲がりくねっており、宅地直下に旧水路や旧河道が存在している可能性もあります。古い地図などを入手して水路の位置を確認することが重要でしょう。


・水路の流れ(ゆるやかな場合は特に注意が必要)

・水路のための擁壁の水抜き孔に注意
(土砂流出しやすいので、流出防止にも有効な排水層等を確実に設けることが重要)
水路の水位が水抜き孔より高くなると、背面の排水層などが確実でないと背面の土砂が流出し、背面地盤の陥没や沈下の要因になりうる。


水路周辺の宅地


水路周辺の宅地


沼周辺


水抜き孔からの土砂流出

水路周辺の宅地


地表面近くの地下水位


宅地擁壁の水抜き孔と水路


水抜き孔からの土砂流出
3)周辺擁壁やブロック塀など
ブロック塀のひびわれ、亀裂



コンクリート擁壁頂部のひびわれと補修


ブロック塀の沈下障害と補修


水抜き孔からの土砂流出





地盤沈下に伴うブロック塀の破断


ブロック塀下の擁壁部分のせりだし

前面に迫り出したコンクリート擁壁


ブロック塀下の擁壁のひびわれ


ブロック塀のひびわれ、亀裂


重力擁壁のせりだし、滑動




上に凸にゆがんだと思われるブロック塀

4)周辺建物など

周辺の建物の状況から地盤の軟弱の具合を把握することも可能です。
不同沈下や傾斜している場合はもちろん、沈下や傾斜がない場合でも沈下障害は発生します。
軟弱地盤地帯では、やや規模の大きい建築物や橋等の公共工事における構造物は、一般に強固な支持層(地表面から深い位置に存在することが多い)に杭先端を設置する支持杭を採用することが多く、このような場合は杭支持構造物の浮き上がりが生じます。

杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


杭支持部分と直接基礎部分との不同沈下による障害


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり







杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり
(段差の解消のために新たに取り付けた階段)


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


杭支持建物の地盤沈下による浮き上がり


沈下障害に伴う建物内部の障害


前面道路との境界部における地盤沈下
5)造成情報

宅地造成に関しては、詳細な造成方法の手順や手法を規定した技術基準は存在していません。
宅地擁壁に関しては、宅地造成等規制法といった法律に基づく施行令などがあり、擁壁の構造方法などが規定されていますが、これらの規定は宅地造成等規制法を適用する一定に区域に限定されています。

地盤改良が不要な布基礎が採用できる宅地地盤(長期許容支持力qaが30kN/m2)が造成できればよいのでしょうが、地表面から深い位置に軟弱層が存在する場合や高い盛土の場合は、造成後の地盤の品質を一定に制御することは経済性・技術的にも難しく、現実的ではない場合もありえます。

造成に関しては、設計施工情報を正確に保存して住宅設計に活用できるようにすることがまずは基本です。

擁壁?ブロック塀?
背面地盤が良質な場合を除くと、ブロック塀を擁壁の代用として使用すると、地震時や豪雨時に障害が生じやすいので十分な注意が必要。


新規の造成地


水田周囲の造成地


盛土中央側に向かう沈下障害が発生した住宅
(前面側が沈下してアンダーピングしているた場合)




いずれ宅地になる敷地ですが、大きな石やゴミなどが一時的に搬入されている可能性があるので、新規の造成地では敷地の利用状況などを確認することが重要です。



新規の造成地


5年程度経過した造成地


水田周囲の造成地



玄関の階段下2段はアンダーピニングで水平にするために新たに取り付けたもの

盛土擁壁の背面地盤だけでなく、河川の土手近傍の住宅では、前面道路との高低差のため、盛土厚が変化するので、不同沈下の原因になりやすく注意が必要です。
住宅の沈下障害から判断すると、造成工事の設計・施工・管理のポイントは、
@盛土材の材質、A擁壁の構造及び背面の埋め戻し、 B宅盤の転圧  C敷地・地盤(旧地形、調査結果)であり、これらの情報に確実に保存し、住宅設計時に利用できるようにしておくことが重要です。造成に関するトラブルには、盛土材の不良、擁壁背面の埋め戻し、造成地盤の中央側に向かう沈み込み、盛土周辺の既存構造物の沈下障害、豪雨んどの後の宅盤面の泥質化、廃棄物や樹木等の地中埋設物障害のほか、切土部分に良質土(高価な砂、粘土)が存在した場合の切土部分の余分な掘削と埋め戻しなどもるようです。
地盤情報に関しても、盛土材に礫などが混入していると造成後のスウェーデン式サウンデイングが困難jな場合が多いので、造成工事の設計に利用した地盤調査を確実に記録保存しておくことも重要でしょう。


6)敷地の実況


現地調査においては、周辺道路や水路などの観察のほか、当該宅地の実況を的確に把握することが必要です。

特に擁壁が存在している場合は、背面の埋め戻し部分の状況を把握することが必要です。擁壁に平行した地割れが存在している場合は要注意です。

また、道路面との高低差のため高盛土を必要とする場合は、周囲の構造物の有無も確認も重要です。

鉄筋などが簡単に押し込めるような場合はかなり軟弱なので要注意です。

擁壁背面地盤の地割れ


湿地帯の水性直物(がま)
(周囲にこのような植物が生えている場合は湿地帯)


水田地帯における高い盛土


30-50cm程度の盛土による整地




切盛地盤
(一般に切土部は盛土部よりも植物が生えにくい)


廃棄物が埋設されていた宅地


新規の軟弱な宅盤の地表面の例



道路面より宅盤面を高くするための盛土









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