2003/12/22 カリフォルニア中部で発生した地震の破壊伝搬の様子


 遠地実体波(IRIS-DMC提供)を使用して波形インバージョンを行いました。

2003年12月22日に逆断層の地震がカリフォルニア中部で発生しました。 IRIS-DMCが収集している波形記録から、観測点分布を考慮して、11点の遠地実体波(P波)を ABICを考慮した波形インバージョン法(Fukahata et al., 2003a,b , Yagi et al., 2003)を使用 して解析しました。

結果

断層面が南傾斜(南側が北側に向かってせり上がっている)のモデル:

地震モーメント Mo = 8.0 x 10**18 Nm (Mw 6.5);
破壊継続時間 T = 12 s;
(strike, dip, rake) = (115, 40, 91)
震源: (Lat. = 35.706°N, Lon = 121.102°WN, depth = 7.6 km).
[震源はUSGSが決定した値を使用しました。]
残差: (obs-cal)**2/obs**2 = 0.30596
[この値が小さいほど、モデルにより観測波形を説明していることになる。]
最大すべり量 = 2.4(m)

断層面が北傾斜(北側が南側に向かってせり上がっている)のモデル:

地震モーメント Mo = 8.8 x 10**18 Nm (Mw 6.6);
破壊継続時間 T = 12 s;
(strike, dip, rake) = (297, 50, 92)
震源: (Lat. = 35.706°N, Lon = 121.102°WN, depth = 7.6 km).
[震源はUSGSが決定した値を使用しました。]
残差: (obs-cal)**2/obs**2 = 0.29991
[この値が小さいほど、モデルにより観測波形を説明していることになる。]
最大すべり量 = 2.2 (m)

遠地実体波解析からは、どちらの断層面が実際に破壊したのか判断することが難しいです。 地殻変動や余震分布から、どちらの断層面が破壊したのか議論する必要があります。

基本的には、南東方向に15km破壊が伝搬しました。破壊は震源から地表に向かって伝搬 しています。本結果からは、破壊は地表に達したことが予想されます。 すべり量が大きな領域が2つあります。一つは震源近傍で、もう一つは震源から南東方向約10km 離れた地点です。規模は、今年宮城県北部で発生した本震の約六倍です。

(八木勇治、建築研究所・国際地震工学センター, 2003)

南傾斜(南側が北側に向かってせり上がっている)のモデル



図: (左上) 震源メカニズム解; (右上) モーメント開放履歴; (下) 断層面上のすべり量分布. 星印は破壊開始点を示す。




図:断層面滑りを地図上にプロットしたもの



図: 観測された波形(黒線)とモデルによって再現された波形(赤線)の比較です。観測点コードの下に、各観測点最大振幅の値(単位ミクロン)を表示しています。波形は、P波の10秒前から表示しています。




北傾斜(北側が南側に向かってせり上がっている)のモデル



図: (左上) 震源メカニズム解; (右上) モーメント開放履歴; (下) 断層面上のすべり量分布.




図:断層面滑りを地図上にプロットしたもの




図: 観測された波形(黒線)とモデルによって再現された波形(赤線)の比較です。観測点コードの下に、各観測点最大振幅の値(単位ミクロン)を表示しています。波形は、P波の10秒前から表示しています。




図:観測点分布


Reference


Fukahata, Y., A. Nishitani and M. Matsu'ura, Geodetic data inversion using ABIC to estimate slip history during one earthquake cycle with viscoelastic slip-response functions, Geophys. J. Int., accepted 2003a.

Fukahata, Y., Y. Yagi, and M. Matsu'ura, Waveform inversion for seismic source processes using ABIC with two sorts of prior constraints: Comparison between proper and improper formulations, GRL, 30, 10.1029/2002GL016293, 2003b.

Yagi, Yagi ; T. Mikumo; J. Pacheco, Source rupture process of the Tecoman, Colima, Mexico earthquake of January 22, 2003, determined by joint inversion of teleseismic body wave and near-field data (PDF), submited to Bull. Seism. Soc. Am., 2003.


Links



Last Updated: December 24, 2003