2003年5月21日アルジェリア北部で発生した大地震の震源過程
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遠地実体波を使用した波形インバージョン
2003年5月21日にアルジェリア北部でマグニチュード6.7の地震が発生しました。この地域は、ヨーロッパプレートとアフリカプレートのプレート境界に位置します。今回は、IRIS-DMCが収集している波形記録から、観測点分布を考慮して、14点の遠地実体波(P波)をABICを考慮した波形インバージョン法(Fukahata
et al., 2003, Yagi et al., 2003)を使用して解析しました。
結果
地震モーメント Mo = 2.3 x 10**19 Nm (Mw 6.9);
破壊継続時間 T = 18 s;
(走向, 傾斜, すべり角) = (54, 47, 86)
震源: (緯度 = 36.89N , 経度 = 3.78E , 深さ= 10 km).
(震央は米国地質調査所が決定した値を使用しました。)
破壊は主に南西方向に約30km、北東方向に20km伝搬しています。解析結果から二つのアスペリティ(すべり量の大きな領域)を同定できます。最大すべりは2.3mで、地表付近に求まります。もっとも大きな地震モーメントの開放は地震発生後約9秒後に発生しました。破壊伝搬方向を考慮すると、南西方向に被害が拡大している事が予想できます。
注意:本解析結果は、遠地実体波を使用しているために、時間に対する分解能は高い一方で、空間に対する分解能はよくありません。今後、現地で観測されたデータを使用することにより、すべり分布が変化することがあります。(どの程度変化するかは、Fukahata
et al., 2003を参考に参考にしてください)
文責 八木勇治 (yagi@kenken.go.jp)
断層面上の破壊分布と震源時間関数

図: (左上) 震源メカニズム解; (右上) モーメント開放履歴; (下) 断層面上のすべり量分布.
すべり量分布(地図上)

図: 震央は米国地質調査所が決定した値を使用しています。灰色の線は今回の解析で使用した断層モデルを示しています。
すべり量分布の時間履歴

図:一秒毎のすべり量の分布の変化履歴、主な破壊が南西に進行している事が分かる。
波形の比較

図: 観測された波形(黒線)とモデルによって再現された波形(赤線)の比較です。観測点コードの下に、各観測点最大振幅の値(単位ミクロン)を表示しています。波形のは、P波の10秒前から表示しています。

図 解析に使用した観測点分布。
参考文献
Fukahata, Y., Y. Yagi, and M. Matsu'ura, Waveform inversion for seismic
source processes using ABIC with two sorts of prior constraints: Comparison
between proper and improper formulations, GRL, 30, 10.1029/2002GL016293,
2003.
Yagi, Yagi ; T. Mikumo; J. Pacheco, Source
rupture process of the Tecoman, Colima, Mexico earthquake of January 22, 2003,
determined by joint inversion of teleseismic body wave and near-field data
(PDF), submited to Bull. Seism.
Soc. Am., 2003.
リンク
何か質問・意見等がございましたら、八木(yagi@kenken.go.jp)までご連絡下さい。
Last Updated: 2003 May 22